こんにちは。企業のITインフラを支える情報システム(情シス)担当者の皆さま、Quality Cloud 編集部 です。
クラウドファーストの潮流やハイブリッド運用の拡大にともない、インフラエンジニアに求められる役割やスキルセットは急速に変化しています。
特に、長年にわたり社内基盤を支えてきたオンプレミスの仮想化技術(VMwareやHyper-Vなど)に精通した基盤エンジニア」の方々からは、「従来のVM知識だけで今後も通用するだろうか」「どのようなスキルをプラスすれば市場価値を高められるのか」といった不安や疑問の声をいただくことが増えているようです。
結論からお伝えすると、これまでに培ったVM(仮想化)の知見は決して時代遅れではなく、むしろ最新技術へとキャリアを広げるための強力な武器になります。
今回は、オンプレミス型の仮想基盤の知識を強みとして活かしつつ、クラウドやセキュリティ分野へ領域を広げて市場価値を高めるためのキャリア論と身につけるべきスキルについて解説したいと思います。
なぜ「仮想基盤の知識」が今も最強の武器になるのか?
「クラウド時代だからオンプレミスのスキルは無駄になる」というのは大きな誤解ではないかと思っています。パブリッククラウド(AWS、Azure、Google Cloudなど)の根幹をなす技術も、仮想化(ハイパーバイザー、コンテナ、SDNなど)の上に成り立っています。そのため、基盤エンジニアが持つ次のような基盤知識は、クラウド環境の理解や高度なトラブルシューティングにおいて大きなアドバンテージとなるのです。
インフラの「構造」に対する深い理解
CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークの物理リソース分配や、ハイパーバイザー上の挙動を把握しているため、クラウド上で障害が発生した際も抽象化されたレイヤーの裏側で何が起きているかを論理的に推測できます。
可用性・障害耐性の設計思想
これについては、オンプレミス環境で培った「止まらないシステムを作るための冗長化ノウハウ」は、クラウド設計(マシンの配置やバックアップ設計にもそのまま応用できます。つまり、ゼロからインフラを学ぶ人に比べて、基盤エンジニアは「土台となる基礎体力」がすでに備わっている状態なのです。
市場価値を飛躍させる「+αの重要スキル」とは?
1、マルチクラウド・ハイブリッドクラウド運用スキル
単一のオンプレミス環境から一歩進めて、AWSやAzureなどのパブリッククラウドを活用したハイブリッド環境を扱えるようになるスキルです。専用線やVPNによるセキュアな接続設定をはじめ、L2延伸技術によるスムーズなV2V移行や、「VMware Cloud on AWS」「Azure VMware Solution (AVS)」を活用した柔軟な基盤構築・運用スキルは、これからのインフラ運用において非常に頼もしい強みとなります。
2、セキュリティ&アイデンティティ管理(ゼロトラスト対応)
これからのセキュリティにおいて欠かせない「アイデンティティを起点としたゼロトラストアーキテクチャ」に対応していくスキルです。Microsoft Entra IDやOktaを用いたSSO・MFA・条件付きアクセスポリシーの設定、SASE/CASBを通じたシャドーITの可視化や暗号化検知、適切なIAMポリシーの設計などは、社内の安全を守るうえで情シス部門から大きく期待される領域となっています。
3、Infrastructure as Code(IaC)と自動化スキル
手動のGUI操作から脱却し、Terraform(HCL)によるマルチクラウド環境のリソース宣言型プロビジョニングや、AnsibleによるOS・ミドルウェアレイヤーの構成管理を自動化する技術です。コード化したインフラ構成をGitなどのVCS(バージョン管理システム)で管理し、CI/CDパイプライン(GitHub Actions、GitLab CIなど)と連携してテスト・デプロイの自動化や構成ドリフトの防止を実現するスキルを身につけることで、「単なる運用担当者」から「効率的なシステムを構築・自動化する設計者」へとステップアップができます。
これまで培ってきたオンプレ仮想基盤の知識は、決して無駄にはなりません。これから新しい技術へステップアップするための、頼もしい足がかりになります。
「VM知識」を大切にしながら、「クラウド移行・ハイブリッド運用」や「セキュリティ・自動化」の領域へ少しずつ幅を広げていけると、エンジニアとしての選択肢もぐっと増えていきます。まずは身近な検証環境で手を動かしてみるなど、できることから一歩ずつ挑戦してみるのもおすすめです。
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